揺れる車窓の外側、流れる暗闇に私は目を向けた。心許ない街頭が、田んぼの真ん中に立っているのが見えた。 私が乗ってるこの一両列車は、居た街と〈向こうの街〉を、山の隙間を三時間ほど走って繋ぐ。向こうに行く、孤独で唯一の、交通手段だ。道中幾つか駅…
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