「あ、また余震か」 曇天の日中。田舎町の片隅。塀に手をついて身のバランスを取った二人の兄妹の内、兄がぼそっと呟く。余震というには少し長く、電気紐を揺らし続けた。「長かったね、お兄ちゃん」 兄の後ろでしがみ付いていた妹が、顔を覗かせる。「そう…
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