kurayami.

暗黒という闇の淵から

唯一きみ

 まず先生を殺します。何故なら、私たち高校生を束ねているモノだからですよ。大人なので時間がかかると思います、貴方は気長に待っててください。おはようございます。ええ、休校ですね。想像通りですよ、殺せました。一人目なので雑に、それでいて派手に。背中にナイフを何本も刺して、いかにも事件性を高めたんです。そうすればこうして休校になって、高校生たちがバラバラになるじゃないですか。どうでしょう、実感、ありますか? でもまだまだこれからです。次は私たちの先輩後輩を殺しましょう。上と下を失くすんです。三十人ぐらいになるんでしょうか。これもまた時間がかかると思うので、この小説でも読んで待っていてくださいね。こんにちは。あれからそれなりに経ちましたが、読み終えましたか? 短編集って何処から読んでも面白いんですけど、私は最初から読む派です。それで、ニュース通りです、全員殺しました。毒殺です。一人だけ、殺す前の後輩に顔を見られましたよ。「先輩おはようございます」って可愛い顔で挨拶されました。だから何ってわけじゃないんですが。さて、この連続殺人事件の犯人像も狭まってきたことでしょう。時間がありません。次は私たちの同級生や友人たちになります。大掛かりになりそうですが、まあ目的までもう少しですよ。私のことでも考えて、良い子で待っていてください。こんばんは。もう夜は冬ですね。寒いです。今日こうして街外れまで呼び出したのは、ええ、警察にマークされました。同級生も友人も、ついでに言えば貴方の旧友たちも殺せたんですけど、思った以上に警察の動きは速かったですね。余裕がなかったので先生と同じく刺殺で終わらせました。加えて、警察の件もあって予定より少し速かったのですが、貴方を呼び出した後に家族の方々を殺させてもらいました。出口を塞いで、家を燃やしたんです。あ、妹さんを特別可愛がっていたみたいなので、先に締めて楽にしてから燃やしました。安心してください。もちろん私の家族も同じように。こっちに関しては、やっと、って気持ちです。そんなわけで時間はかかりましたが目的が達成されましたね。実感、してますか。ふふ、どうですか。
 今、世界には私と貴方だけですよ。
 貴方が知ってる人はもう、この世界には殆どいません。貴方が知っている人は目の前の私だけです。ねえ、愛しい? 私は愛しいですよ、愛してます。ああ、今貴方を独り占めしてます。嬉しいです。いや、こんなところで立ち話もなんですし、そろそろ行きましょう。捕まるまでずっと二人だけで逃げましょうね。捕まるなら最後、貴方を殺して、私を殺すだけです。

 

 

 

 

 

 


nina_three_word.

〈 ひたすら 〉殺す。