男が目を覚ましたとき、電車の外は見たことのない景色に、暗闇が重なっていた。着いた駅で、男は思わず降りる。 高緒駅。 中央線に乗っていた男は、乗り過ごし、東京の果てまで来たと理解する。 駅は、閑散としていて、朽ちている。男にとって初めての駅だっ…
君か。久しぶり……いや、ついさっき寝たばっかな気もするし、ううん……おはよう、かな。まあ良いか、ほら、立ってないで椅子に座りなよ。 何から話そうか。 ううん、じゃあまず、僕の話でもしよう。 ……僕が誰だって? 誰って……君がよく知ってる人だよ。 あっけ…
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