僕にはフォーカスが合わない。 そう、普段から思っていた。 駅は、帰路に急ぐ人々で溢れ返っている。時間にしてまだ平日午後三時。普段夜中に帰る僕は、この時間の帰り道を知らない。ああ、知る由もない。僕は日常のレールからわざと外れ、逃げるようにこの…
日曜午後の高円寺は、暖かさと平凡に溢れていた。高円寺特有のアーケード続きの商店街を各々が求めた店へと向かって人が流れていく。俺だって、その一人で。気怠そうな足が向かう先は路地裏にあるカフェ。飢えに渇いた喉が、甘い炭酸を求めていた。 そのカフ…
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