「にゃあ。にゃあ」 声のした方を、美沙は振り返った。しかし、そこに声はなく、美沙のベッドが置かれている。 気のせいか、と美沙は勉強机に向き直す。大学での試験が近く、美沙はノートを見返していた。「にゃあ」 また明らかに、猫の鳴き真似をする男の子…
元々、君の声には説得力があった。「返事を催促するような人に、返事をしてはいけません」 四つ下の君は、愚痴を零した僕に、優しく敬語で諭す。「ううん、でも長年の友達だしな」 その友達は、長い付き合いだった。しかし連絡ならともかく、世間話の返事で…
引用をストックしました
引用するにはまずログインしてください
引用をストックできませんでした。再度お試しください
限定公開記事のため引用できません。