男が一歩を踏み出した時、木造の床が泣くように軋んだ。「じゃあこの貝殻は? いくらよ」「お前さんじゃ、買えないぐらいじゃろうなあ」 欠けた桃色の貝殻を手に取った男に対し、支払い口に座った老人が答える。 小さな豆電球が無数にぶら下がった店内。傾い…
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