「こんばんは、もういるのかな?」
「こんばんは。ここにいるよ」
「姿が見えないだけで、こんなにも不安になるんだね」
「私も、貴方が来てくれるか不安だったよ」
「僕が来ないわけないだろう。今日がその日なんだから」
「うん……ねえ、用意できた?」
「もちろん。これで君に会えるのなら」
「揃えてくれたんだね」
「幸運を重ねる、九輪草」
「私たちの街、八王子」
「紫陽花の別名、七面鳥」
「まだ行きたくない、六道輪廻」
「君が死んで、五年」
「貴方のいる時間、四時」
「そして、三人」
「本当に殺したんだね」
「君に会うためなら」
「可哀想な人」
「これで二人」
「貴方は、一人。
君がいるじゃないか」
「ううん、気づいて。
なにをさ。
私は、もういないんだよ。
僕は、ここにいるじゃないか
私は、もう死んでるんだ」
「それなら僕が、零に帰ればいいだけさ」
妖怪三題噺「七面鳥、幽霊、3人」
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