kurayami.

暗黒という闇の淵から

/九つ

「こんばんは、もういるのかな?」

「こんばんは。ここにいるよ」

「姿が見えないだけで、こんなにも不安になるんだね」

「私も、貴方が来てくれるか不安だったよ」

「僕が来ないわけないだろう。今日がその日なんだから」

「うん……ねえ、用意できた?」

「もちろん。これで君に会えるのなら」

「揃えてくれたんだね」

「幸運を重ねる、九輪草

「私たちの街、八王子」

「紫陽花の別名、七面鳥

「まだ行きたくない、六道輪廻」

「君が死んで、五年」

「貴方のいる時間、四時」

「そして、三人」

「本当に殺したんだね」

「君に会うためなら」

「可哀想な人」

「これで二人」

「貴方は、一人。

 君がいるじゃないか」

「ううん、気づいて。

 なにをさ。

 私は、もういないんだよ。

 僕は、ここにいるじゃないか

 私は、もう死んでるんだ」

「それなら僕が、零に帰ればいいだけさ」

 

妖怪三題噺「七面鳥、幽霊、3人」

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